研究室の理念
「隠れ教育費」を、わたしたちはなぜ問題にするのでしょう。
その理由は次の3つです。
①「隠れ教育費」が家庭の負担となり、ときには子どもの教育を受ける権利や学ぶ機会がじゅうぶんに保障されないことがある。
②「隠れ教育費」の特性が示す通り、総額が把握されていないことも多く、問題意識が共有されにくい。
③「隠れ教育費」の存在は、日本国憲法の条文「義務教育は、これを無償とする」により、義務教育でも多額の教育費がかかるということが知られていない。
──「隠れ教育費」の問題を解決させるには、まずはその「隠れ教育費」という存在を広く共有し、国民的議論にしなければなりません。そしていつか、「『隠れ教育費』が問題になっていた時代もあったよね〜」といわれる社会をめざし、「隠れ教育費」研究室は発信を続けていきます。
「隠れ教育費」に対する問題意識
書籍に掲載した「隠れ教育費」は、全国の「隠れ教育費」のほんの一部です。
しかし、本書を読み終えた後、きっと次のような感想を持つことでしょう。
「自分の子どもが通っている学校では、こんな費用があるな…」
「毎年、保護者にこの費用の負担をお願いしていたけど、本当に必要かな?」
「数百円の支出に鈍感になってたかも…」
その気づきは、みなさまの周りに潜む「隠れ教育費」が存在をアピールしているのかもしれません。
一人の力は小さくても、子どもたちの教育を見守る大人たちの知恵を集めれば、きっと大きな力となり、「隠れ教育費」の問題の解決の糸口になるはずです。
このサイト内で、
「こんな費用を見つけたよ。」
「今まで、疑問だった教育費について学校に聞いてみました。」
「こんな取り組みをしています。」
などのコメントが溢れることで、「隠れ教育費」の問題意識が社会に広がっていくことに繋がっていけばとても嬉しいです。
「隠れ教育費」を見つけるヒント
ちょっとした違和感や疑問から、みなさまの身の回りに潜む「隠れ教育費」を探してみましょう。意外なところで「隠れ教育費」が見つかるかもしれません。
「でも、私には違和感や疑問なんてわからないよ…」という方もいらっしゃるかもしれません。
でも安心してください。「隠れ教育費」を見つけるきっかけとして次の質問項目を例示しました。これらを参考に身近な「隠れ教育費」をぜひ探してみてください。
- 保護者負担が当然の前提となっていませんか?
- 教職員負担が当然の前提になっているものはありませんか?(つまり自腹)
- その学校の慣習や伝統のようになっている費用はありませんか?
- 保護者(教職員)が意見しづらい費用はありませんか?
- 購入しないと、子どもたちが学校生活の中で不便に感じるものはありませんか?
「隠れ教育費」に金額の大小は関係ありません。
見つけたら、「なぜこれは必要なのかな?」「他の学級(学校)ではどうなってるんだろう?」というようなことを周りの人と話をしてみてほしいなと思います。そしてぜひ、コメントで残して情報共有してもらえたら幸いです。
他にも子どもが持ち帰ってきた教材や学校徴収金の会計報告のプリント、学校だよりや保護者懇談会、新入生保護者説明会など、いろんなところにそのヒントは隠れていますよ。
研究室メンバー
*二人の活動実績については下記のページにまとめています。