その3・「教職員の自己負担に関するアンケート」の結果概要~出張編~
今回は児童生徒との関わりから離れ、「自己負担調査」結果の「~出張編~」である。子どもや保護者からは見えづらく、かつ民間企業や一般公務員の出張と比べると、驚きの結果だと思う。
出張に関わって自己負担が「ある」との回答は33%に上る。それは「措置された額では足りない」という意味であるのが56%、「出張届けは出すが旅費が出ず」という意味であるのが8%、「やむを得ず年休」で出張に行っているとの回答も15%ある(複数回答可)。職務上必要で行く出張について、満額が支給されないだけでも問題だが、出張届を出しているのに旅費が支給されない、というのは、それは何のための届なのだろうと思わせる。
自由記述欄の回答で見ると、多様な〈ローカルルール〉が見えてくる。「土日はボランティアで出張。駐車場代も出ない」、「泊で行かなければ無理なところへの出張で、交通費しか出してもらえなかった」、「現地から大会会場まではバスも電車も厳しくタクシー代が自腹」、「最後の3月に旅費が足りず、車で行ったところを安いバスで行ったことにした」、「高速料金は自腹」、「ガソリン代が高騰しても〔支給〕金額が変わらず足が出ます」、「30円/km」、「特急料金」、「ぎりぎりまで教室にいなければならないので、タクシーで行ってもバス代しか出ない」、「必ず参加といわれるものなのに、研修費は自己負担」、「出張としてカウントされない講演会に行くよう指示された」、「県外出張の要望がほとんど実現せず」、「3人出張したが、2人分の出張旅費しか出なかった」、「修学旅行の保険代、施設利用料、昼食やその他経費」、「宿泊の下見が1日1人しか認められず」、「生徒の就職先開拓のための交通費」(以上、〔〕内は引用者補)——
もちろん自治体による差、学校による差は大いにあるはずなので、学校関係者同士でも「それはいくらなんでも……」と思うような回答もあるのではないか。それにしても必要経費だけでも公費で支給されているだろうと思っていると、現実は全くそうではないようだ。指示や命令による出張でさえも費用が自己負担になってしまう。
(チーフアナリスト 福嶋 尚子)
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