【最新・第47回】広報してくれないところもあるの?──就学援助⑥|保護者の疑問にヤナギサワ事務主査が答えます。

【ちょこっと一息】「事務だより」を活用して何を伝えるか?

今回のテーマは「事務だより」です。

 こんにちは。今回は「事務だより」についてお話ししたいと思います。

 私たち学校事務職員は、学校と保護者とを繋ぐ大切なコミュニケーションツールとして、「事務だより」を活用しています。今回は、私が実際に行った具体的な実践例も紹介しながら、「事務だより」で何ができるかについて考えてみたいと思います。

「事務だより」の目的は?

 私にとっての「事務だより」を活用する目的は2つあります。

 1つは、学校に関する情報(財務や就学支援など)を保護者に提供すること。もう1つは、「事務だより」を通じて保護者とのコミュニケーションを図ることです。

 そして、そのために意識していることの1つが「翻訳」です。例えば、学校に関する決まり事は、堅苦しくて難しい文章が多い気がします。(あくまで私の感想です…笑)なので、保護者にとって理解しやすいようにわかりやすく「翻訳」する。もしくは、学校には子どもたちがたくさん在籍しているため、どんな状況にも当てはまるような文章を作成しがちですが、あえてそこから個別・具体的な文章に「翻訳」する(例えば、海外にルーツを持つ世帯向けに表現を作り変えるなど)ことで、その保護者に対してピンポイントに伝わるように工夫する。など、「翻訳」という作業は私にとって、腕の見せ所であり、やりがいの1つとなっています。

「事務だより」の実例を少しご紹介

 ここで、私自身どのように「事務だより」を活用してきたのかを少し紹介してみたいと思います。

 昨年の入学オリエンテーションの時のお話です。

 学校事務職員は、新1年生を持つ保護者に対して、就学援助制度や給食費についてのお話をします。そして当日は、教育委員会より提供された各種制度についての「お知らせ文書」を準備します。この「お知らせ文書」は教育委員会の方がしっかり作成していただいたものなので、制度については全てを網羅されてますし、どんな状況の世帯であっても読めば自分たちが該当する状況の答えが載っているように事細かく作成されています。が、やはり制度自体が複雑なため、少し分量が多くなりがちです。

 そこで「お知らせ文書」の上に添付する形で、就学援助制度や給食費の概要をまとめた「事務だより(A4用紙1枚)」を発行しました。保護者の皆様の制度に対する理解を深めるお手伝いをすることが目的です。

 これによって、入学オリエンテーション中という短い時間の中でも、ある程度の概要を理解することができたのか、いつもより質問が多く上がったことがとても嬉しかったです。

*このような説明会を行う場合、質問がない方が怖いというのはあるあるかもしれません。(ちゃんと伝わってないのではないかと不安になります)

 他にも、就学援助の申請が始まる直前にも「事務だより」を発行し、全世帯への周知を行っています。これにより、保護者の方々から早いレスポンスをいただくことができることが多くなり、保護者や子どもたちの生活の様子の一部を把握することができます。その情報を受けて、担任や教育相談の先生方などと連携し、支援に対する対策を早めにとることができます。

 このように私は「事務だより」を私たち学校と保護者とのコミュニケーションを円滑にするための手段として活用しています。「事務だより」は一方的に情報を発信するだけでなく、保護者からの応答があることで初めて意味を持つものなのかなと考えています。

「隠れ教育費」を見つけるツールになる⁉︎

 「事務だより」では、実践例にあげたような就学援助や給食費などの制度を伝えるだけではなく、学校に関するお金のお話をすることもあります。「保護者から徴収しているお金」をテーマにした「事務だより」を発行している事例も聞いたことがあります。

 そのようなテーマで「事務だより」を作成するとき、その職員は「保護者から徴収しているお金」について、たくさん勉強してわかりやすく噛み砕いて文字に起こしているんだろうな、と想像します。もしかしたら「保護者から徴収しているお金」について、疑問や違和感を感じているのかもしれません。

 私自身、「保護者から徴収しているお金」をテーマとした「事務だより」を発行したことはありませんが、学校で動くお金について、深い理解をするためにも今後取り組んでみたいなと思うテーマの1つです。

さいごに

 最近、「事務だより」の作り方について、改めて基礎から勉強したいなと思って、務だよりの教科書(発行:学事出版)」という本を購入しました。ICTの急速な発展が見込まれる時代であっても学校事務職員にとって「事務だより」は、保護者と繋がる大切なツールであり続けると考えています。(人とのコミュニケーションはAIが苦手としてる分野の1つです。)

 私自身もっと「事務だより」についての知識と技術を身につけて、保護者とより良いコミュニケーションを図れるよう取り組んでいきたいと思います。

 もし皆様の取り組みの中で、「このように活用しているよ!」「こんな事務だよりをもらったよ」と言った例などありましたら、教えていただけたらとても嬉しいです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

上間(うえま)

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