【最新・第40回】補助教材費も無償にできるの?|保護者の疑問にヤナギサワ事務主査が答えます。

【シリーズ|その1】教職員の「自腹」調査結果から見えてくるもの

その1・「自腹」調査の意義

 先日、TBSラジオの「荻上チキ・Session」に出演させていただいた際、教職員の部活動指導に関わる「自腹」(持ち出し・自己負担)について指摘したところ、リスナーから多くの反響があった。学校関係者から様々な「自腹」エピソードが寄せられ、また学校関係者以外からは驚きの声が上がったのである。特に「部活動の遠征のためワンボックスカーを購入した」というリスナーのエピソードに、出演者は目を丸くしていたのが印象的である。学校関係者としてはいわば「自腹あるある」だと思うのだが、やはりそうでない人からするとそれだけ「あり得ない」ことなのだなと実感をした。(そういえば筆者も、「〇〇部でずっと使ってた△△マシン、先生の私物だったんだって。買おうとしたら15万以上するらしいよ」と聞いて、目を白黒させたことがある。)

 ※Session出演時のページはこちら(radikoのタイムフリーはすでに期限が切れています)。

TBSラジオ「荻上チキ・Session」特集「スポーツ庁で提言された部活動の地域移行。今後、必要な議論や制度とは何か」(2022年6月8日)に出演しました!|福嶋 尚子 | 「隠れ教育費」研究室 (kakure-edu-cost-lab.com)

 ※その後に「隠れ教育費」研究室で書いたコラムはこちら。

  学校部活動の物的条件を支える教員の自腹問題 | 「隠れ教育費」研究室 (kakure-edu-cost-lab.com)

 実際、保護者の私費負担は文部科学省の「子供の学習費調査」によって大まかな部分は継続的に明らかにされているが、教職員の私費負担(つまり「自腹」)はそうした統計がなく暗黙の裡に存在してきた。いわば教職員の「自腹」の方が「隠れ教育費」の度合いは高く、全体像も実態も見えづらいものとなっているのである。

 しかしここで、貴重な教職員の「自腹」調査を2つ、紹介したい。ともに全日本教職員組合・青年部による、「教職員の自己負担に関するアンケート」(以下、「自己負担調査」)と「部活動(クラブ・少年団)指導にかかわる実態調査アンケート」(以下、「部活動負担調査」)である。前者は、全国の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に勤める教職員を対象に、青年部が調査したものである。実施期間は2010年11月から2011年2月までの4か月間で、およそ600件の回答が集まったという。後者は、同じく全国の小・中・高・特別支援学校の部活動(クラブ・少年団)担当者に対して青年部が調査したものであり、2012年11月から2013年1月までに1,118件の回答が集まっている。

 筆者が知る限り、教職員の「自腹」問題についてこれだけ多くの回答を得ている調査は他にない(他にあればぜひ「隠れ教育費」研究室に情報提供をしてほしい)。この調査についても、「教職員の自己負担について発信してもらえるなら」と、全教より情報提供を頂いたものである。

 この貴重な調査結果を用いて、数回にわたって教職員の「自腹」問題の実態についてコラムにまとめていきたい。そして、まずは隠れている「自腹」を表に出し、教職員が職場において負っている経済的負担の現状について、議論を喚起したい。

(チーフアナリスト 福嶋 尚子)

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コメント

  1. 教員の自腹問題より生徒や保護者の自腹問題が優先 より:

    偉そうに教員の自腹を提起する前に生徒や保護者の自腹問題をまず提起しなさいよ。

    例えば部活。
    やりたくない生徒に部活を強制させ、お金や時間をムダにさせられる。ユニフォームや交通費、場所の負担など。
    未加入の生徒に中体連や高体連の費用を負担させる。未加入の生徒がなぜ負担する必要がある?

    生徒や保護者の自腹問題について調査しなさいよ。

    こういうことを無視するからあなたたち教員は世間から信用されないのです。

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