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【コラム】物価上昇による「隠れ教育費」への影響|栁澤 靖明

 止まらない物価上昇──。

 ある調査によると、2022(令和04)年8月には食品など2,431品目が値上がりしたという。さらに、同年10月の物価上昇はその2.5倍以上である6,305品目にも及ぶとのことだった。そして、実際に10月を迎えて物価上昇の大波が寄せてきた。もちろんその波は学校現場にも迫ってきた。文房具、教材、消耗品、食材などが平均して5~15%も上昇した。

 たとえば、学校でいちばん消費する「紙」はA4サイズのコピー用紙(1〆500枚入)である。あるメーカーでは、今年8月から1〆あたり80円値上がりした。生徒≒800人で教職員≒50人の学校では、年間使用量は≒1,600〆にもなるため、1〆あたり80円値上がりするだけで、年間コストが128,000円増える計算だ。しかし、コピー用紙代が「隠れ教育費」(保護者の負担=私費)となっている事例は少なく、公費による購入が多いため予算が補正され値上がりに対応している可能性もなくはない。

 同じ紙製品でも、各種学習帳は私費になっていることが多い。たとえば、小学校でよく使う「漢字ノート」や「計算ノート」などの学習帳(正方形のマスや補助線が引かれているノート)は1冊10円程度、習字用半紙(20枚入)も1パック10円程度値上がりした。

 また、GIGAスクール構想&デジタルドリルの普及により「タッチペン」を購入する学校も多いと思う。本校でも夏休み明けから検討を進め、見積もり徴取の段階で10月を迎えた。その見積書には「『10月〇〇日』から1本10円の値上げ予定」や、「『10月××日』より1本あたりプラス11円」という表記が目立った。本校ではタッチペンは私費負担させずに公費負担の予定だったが、1,000本買うとなると10,000円程度の値上がりを覚悟しなければならない。そのため、選定と購入を急いだ。

 ほかにも、絵具(12色セット)が1セット400円程度、学校給食用デザート(チョコムース40g)も1個20円程度の値上がりをみた。油の高騰は並ではなく、一斗缶(18L)が1缶2,000円程度値上げしている。前出の学校規模で計算すると≒288,000円の増加である。このような食材料・調味料や燃料の高騰により学校給食費自体の値上がりが避けて通れない状態である。そのため、この機会に無償化を実現した自治体と、私費負担を増加させた自治体に分かれた。

 じつは、教材等の値上げはこれからが本番である。

 多くの学校では年度当初に購入教材等を決め、価格も年間契約「的」に定められる(例えば11月の転校生に対しても、4月に購入した価格を据え置いて販売してくれることが多いため、今年度は卸値上昇によるあおりを受けて利益率が下がってしまった販売店も多いだろう)。その年間契約「的」単価の基準となる卸値の決定がちょうど今頃なのだという(カタログを各学校へ届ける時期=教材等を検討する時期に合わせることを逆算すると、カタログデータの完成が今頃になるとのこと)。

 この価格上昇気流に乗った時期に定められた卸値が、翌年度の価格基準となる。そのため、翌年度の「隠れ教育費」へ忍び寄る影響が想像できる……。しかし、幸いにもちょうど今は、学校現場から教育委員会へ翌年度予算の要求ができる(ヒアリングを受けてもらえる)時期だ。物価状況に関わる情報収集と分析を学校財務で進め、公費増額に向けた予算要求を教育委員会に実行していく能動的な取組が期待される。

(チーフディレクター 栁澤 靖明)

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◼️ 引用参考文献

・NHK「サクサク経済Q&A」https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/20220802/517/)LA:2022.10.28

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