【最新・第40回】補助教材費も無償にできるの?|保護者の疑問にヤナギサワ事務主査が答えます。

【ちょこっと一息】 締切日を工夫すると◯◯費がなくなる?!

◯◯費の存在に気がついたのは、一本の電話からでした…

 「今日が期限の修学旅行費の支払いの件なのですが…」

 ある日の午後、一本の電話が入りました。

 「支払い期限の時間を少し伸ばしてもらえませんか?」

 保護者からの第一声に、少し緊張したのを覚えています。

 どのような事情があるのだろうか?なにが保護者に負担をかけてしまっていたのだろうか…申し訳ない。

 そう思いながら、話を聞いてみると次のことを話してくれました。

(1)修学旅行費の支払期限の今日がちょうど給与の支払日であったこと。

(2)そして、その給与の一部をATMで引き出して修学旅行費に当てたいが、18時までは仕事であること。

(3)そのため、どうしても19時以降にしか学校に行けないこと。(終業時間は16時45分)

 「今日必ず行くので、待っててもらえませんか?」

 最後まで話を聞いて、私は愕然としました。

 保護者に伝える締切日について、どうしてこんなに無頓着だったのだろうか。

 「焦らせてしまって、ごめんなさい。旅行会社への支払期限にも少し余裕があります。週が明けてからでも大丈夫なので、お母さんの来校できるタイミングでお支払いしていただいて大丈夫ですよ。」

 そう言って受話器を置きました。

 私たちがなぜその日を支払期限として設定したのか。それは単純に週末の金曜日だったからにほかありません。もちろん、旅行会社への支払期限に少し余裕をもたせたいという意味もありました。しかし、家計の中から修学旅行費を捻出するために、給与支払日を待っている保護者がいるということを思いつくことができなかったことは事実です。そのことで、保護者に心理的負担を強いてしまったことは大いに反省すべきだと思います。

 通常、給与支払日は15日締めの25日支払い、25日締めの5日支払い、月末締めの10日支払いが多いようです。そして、今回の修学旅行費の支払期限がまさに10日でした。

今回見つけた「隠れ教育費」

 今回の事例で問題になる点。それは時間外にATMを利用することで発生する手数料です。銀行にもよると思いますが、私の住んでいる地域の地方銀行では、18時以降のATM利用で210円の手数料がかかります。もし締切期限を厳守していたら、保護者は修学旅行費を支払うために、追加で時間外手数料を負担する必要がありました。これも「隠れ教育費」と言えるのではないでしょうか。また、一部の保護者だけが負担してしまうということも問題だと思います。

今回の件で私ができること

 まだまだ導入することは難しいですが、手数料無料で送金できるアプリなども登場してきています。このような仕組みが広がれば、今回のような「隠れ教育費」はかなり軽減できると思います。

 しかし、今の私たちでも、

(1)給与支払日を推定される日を締切日に設定しないこと。

(2)現金徴収ではなく、口座振込の導入(もしくはそれに変わる仕組み)の検討。

 といった工夫で対応することは充分に可能です。

 しかし、今回の件があるまでは、意識すらしてませんでした。「隠れ教育費」は文字通り隠れているんだなと、今回の件で実感しました。まだまだ見えていないものはたくさんあると思います。改善や工夫をするためにもまずは「隠れ教育費」を見つけることが大切なんだなと感じました。

 これからも、日頃の業務の中で「隠れ教育費」を視(み)て、観(み)て、察(み)つけて、皆さんと一緒に解決策を考えていきたいと思います。こんな「隠れ教育費」を見つけたよ!といった情報がいただけたらとても嬉しいです♪

上間(うえま)

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