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【コラム】全国一律の給食費無償は叶うのか|福嶋 尚子

 2023年12月、東京都が公立小中学校の給食費半額補助へ向けて舵を切った。報道によれば、都議会が、給食費無償をする自治体に対し、半額補助をするという提案をし、都知事が「給食費の負担軽減」に応じた格好だ。

 都道府県レベルでの給食費無償は、1となる。しかし、千葉県ではそれでも無償に応じていない自治体がある。補助を受けても、それでもなお財政的に無償化に乗り出すのは厳しい、という判断だろう。やはり、国が一定の強制力を持って給食提供や給食無償の仕組みづくりをしなければ、全ての子どもたちの〈食の権利〉保障は叶わない。

「隠れ教育費」研究室としては、全国一律の給食費無償を叶えるうえで、国が一定の義務を都道府県、市区町村にかけることが必要と考えている。それは第1に、朝から夕方まで子どもたちが学校で過ごすような学習指導要領や授業時数を想定している限り、何らかの方法で全員制給食を提供できるような施設を整備する義務。第2に、食材費部分について所得制限や学年制限をかけることなく、公費負担とする義務だ。第1の義務が果たされれば、現在給食が提供されていない地域や、全員制給食を提供できていない地域でも、全員制給食を実施しなければならなくなる。

 さらに、全国一律の給食費無償を叶える上で、その食材費の負担主体については限定して考えていない。市区町村が単独で無償にできる状況ではないことも、この1年ほどで見えてきている。国費で全額、というのも簡単ではないだろう。しかし、千葉県、東京都のように、都道府県も補助に乗り出すことで、国―都道府県―市区町村が負担を分け合って無償を達成する、という方法であればどうか。

 実はこれにはすでに先例がある。市区町村立学校の教職員給与は、市区町村が全額を負担することが難しく、市区町村が負担できる範囲にすると、教員の質が保てなくなるということで、都道府県と国が分け合って負担している。

 全国どこに住んでいても、1日1食は安心して栄養バランスの整った食事を安心して子どもたちが食べられるようにするには、市区町村任せではいけない。国にしかできない、学校給食法の改正や、国庫からの負担金・補助金の設置など、「#給食費無償」を全国へ!広げるための積極的な動きを期待したい。

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*給食費については記事の最後で触れられています。

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