【最新・第47回】広報してくれないところもあるの?──就学援助⑥|保護者の疑問にヤナギサワ事務主査が答えます。

【ちょこっと一息】下校前に急な大雨!?公衆電話に並ぶ子どもたちを見て思うこと。

 急速な進化を遂げる情報社会の中にあって、子どもにスマホ(携帯電話)を持たせて登校させることが当たり前になる時代が来るかもしれないなぁと、ふと考えることがあります。なぜならスマホが名実共に社会的インフラとなりつつあるためです。ICTの進化によって人と人の距離が極端に近くなりましたね。今では僕もスマホが手元にない(=誰とも連絡が取れない)と急に不安になる大人になってしまいました(笑)

 子どもたちはどうでしょうか?学校には持ってきていないもののスマホ自体は所有しているというケースは結構あるように感じますが、大人たちとは違い平日の日中はスマホには一切触れず日々の勉学に励む子どもたちを見ていると素直にすごいなぁと感心してしまいます。現在もGIGAスクール構想の中にあって様々なツールを使いこなし、ネットリテラシーを学びながら成長していく子どもたちの姿を目の前で見ることができるのは学校職員として嬉しい瞬間の一つとなっています。

 スマホを学校に持ち込めない子どもたちが学校から外部へと連絡する手段といえば、やはり学校に設置されている公衆電話ではないでしょうか。公衆電話の撤去が進んでいる学校も多いようですが、沖縄県ではまだまだ多くの学校に公衆電話が設置されています。テレホンカード片手に「忘れ物を届けて欲しい」とお願いする姿はもはや朝の恒例になっています。そんな公衆電話が最も必要とされる瞬間が下校前の急な大雨です。沖縄県では、毎年夏から秋にかけてスコールが頻繁に発生する上に、台風前の大雨もよく観測されます。子どもたちが徒歩で帰るには危険を感じるほどの大雨になると学校からも一斉メールなどを配信し保護者に対してお迎えをお願いしますが、待機場所などの細かい指定に関しては個別の連絡がどうしても必要となってしまいます。そのため公衆電話の前には長蛇の列ができてしまうことになります。

 その様子を見て、ふと思うことがあります。このように外部(主に保護者)と連絡を取るための費用(特に子どもたちの安全に関すること)は必要な負担と言えるのでしょうか?少し疑問に感じることがあります。

1.子どもがスマホを所有しているのに…

 連絡手段という点だけ見ると、スマホを所有している子どもとその保護者にとってはスマホと公衆電話という2つ連絡手段を持っていることになります。「スマホを学校に持って行けたなら二重の負担もなければ、緊急連絡も容易なのに…」そのように考えることは決して不自然なことではないように思えます。

2.学校との双方向のツールがあれば…

 近年、「保護者連絡ツール」を提供する企業が増えています。保護者や学校からの多様なニーズにより今後ますますサービスが進化を遂げていくでしょう。使うととても便利な「保護者連絡ツール」ですが、「学校から保護者への一方向配信のみ」を無料提供としているところがほとんどであり、保護者と個別で連絡をとるような双方向配信をしたいと考えると最低でも月額5,000円~(税別)のサブスクプランを契約する必要があるところがほとんどのようです。有料契約をするために保護者から一律に徴収を行なう事例も少なからず見受けられます。今後はこのような有料契約費用も行政が負担することができような制度が必要になるのではないでしょうか?

3.PTAがテレフォンカードを準備してました。

 以前の学校では、PTAよりテレフォンカードの貸し出しを実施していたため、子どもたちは自由に保護者へ連絡を取ることが可能となっていました。一見、費用負担も問題は解消されたように見えますが、そのテレフォンカードの購入のための原資はもちろんPTA会費です。隠れていて見えづらいですが、結局は保護者が間接的に費用負担していることには変わりないと言えるのではないでしょうか?やはりテレフォンカード代の行政負担もしくは学校に設置されている電話を使用するといったことを実施しない限り、保護者の負担軽減できたとは言い難いのかもしれません。

さいごに

 公衆電話1回の使用負担金額は10円~100円といったところでしょうか。このようにそれほど高額ではない保護者の費用負担については、制服やランドセルのような数万円単位の費用と比べると「まぁ仕方ないか(特に大きな問題になってないし)」となってしまいがちだと思います。だからこそ、小さなことから何らかの対策を打つ必要があるのかなと感じています。現在の所属校では(結果的にですが)学校に設置されている電話を貸し出す取り組みを行っています。それがどのような形で反映されるのかはまだわかりませんし、ほかにも良い案はたくさんあるように思います。たとえばGIGAスクールにより導入されている端末やその中のアプリを利用し家族と連絡を取り合うことができれば、保護者負担を無くすことも可能です。もし、ほかにもこんなアイデアがあるよという情報がありましたら教えていただけたら嬉しいです。

上間(うえま)

 この記事が「参考になった!」と感じたら、周りの人に紹介したり、下記の「❤️(いいね!)」や「コメント」をしてもらえると嬉しいです♪

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました